比較3原則を守れ
同種のものを比較せよ
多くの受験生諸君が苦手としている分野の一つがこの『比較』である。さぞや難しくて覚えなきゃいけない項目が多かろうと思いきや意外にも押さえるべきポイントは少ない。
まず、この単元の主役はなんといっても状態や程度を表す形容詞と副詞である。そして大切なのはそれらの語形変化(比較変化、すなわち原級、比較級そして最上級)で、ここでたいていの受験生諸君がつまづいてしまっている。この語形変化をマスターすれば『比較』の学習の半分以上は終わってしまっていると思ってもよい。とにもかくにも君は教科書、参考書を駆使して形容詞、副詞の比較変化を十分に習熟すること。覚えかたのコツは、1)-er -est が語尾にくるパターン 2)前に more most がつくパターン 3)不規則に変化するパターン の3つに分けて覚えることである。
形容詞、副詞の比較の語形変化のパターンをマスターしたら、次に覚えるのは『比較3原則』である。
1 原級(形容詞、副詞をそのままの形で用いたもの。)
2 比較級(2つのものを比べる言いかた。)
3 最上級(3つ以上のものを比べて、そのうち最も程度が高いことをいう表わし方。)
とにかくこの3原則を覚えてしまえばよい。これ以外に学ぶべきポイントは少ないのだ。そして次に気をつけることは、受験英語の比較の問題ではあくまで同種(同じ種類のもの)を比較するということだ。例えば、
A. 彼は君より背が高い。
B. 彼の自転車は君より古い。
という2つの文をよく見比べてみよう。Aでは『彼』と『君』という同じ種類(人間)の背の高さを比べている。これはよい。ところがBでは『自転車』と『君』の古さを比較している。これはおかしい。もし比べるのならば、彼の自転車と君の自転車と比較すべきだろう。このような異種のものの比較は入試に出題されないので注意しておこう。このことは次のような問題にあらわれる。
His bicycle is older than you.
このような言い方はおかしいと気付くでしょう。比べるのはあくまで同種のもの、つまり彼の自転車と君の自転車だから一番最後の you は your bicycle とすべきで、この場合 yours が正解でしょう。
それでは『比較3原則』をくわしく見ていこう。
すでに述べたように形容詞、副詞をそのまま用いた言い方で肯定文の中では『同じくらい〜だ。』という意味を表わす。(同等比較ともいう。)
(1) He is as tall as you. (彼は君と同じくらいの背の高さだ。)
(2) He runs as fast as you. (彼は君と同じくらい速く走る。)
(1) が形容詞を用いた原級比較で (2) が副詞を用いた原級比較である。じゃあもしこれらの文を否定文にしてみたらどうだろう。ここはよく入試に問われるところである。
(3) He is not as tall as you.
(4) He doesn't run as fast as you.
まず(3)の文を解釈してみよう。比べているのは『彼』と『君』の背の高さである。原級を用いた同等比較であるが、not がついているので彼と君の背の高さは同じではない! ではどちらの背が高いのだろう。さて復習。文の解釈で大切なことはすでにキーポイントNo.4 で学習したように『正直に最初から読む』ということだったね。これでもうわかってくれたと思う。文を最初から正直に読むと、He is not as tall 〜 とあるわけで、『彼は〜背は高くない』と言っているよ。そう、君の方が高いんだね。だから『彼は君ほど背は高くない。』といっているわけ。
次に(4)の文だけれど君はきちんと解釈できるかい? この文は『彼は君ほど早くは走らない。』といっているんだ。わかったかな?
これは2つのものを比べる言い方であるが、注意すべき点はキーポイントに示したように『同種のものを比較する』ということだ。もう一度復習する。次の文をよく見てほしい。
比較級+than であるので比較3原則にはのっとっているが、比べるものが『私の車』と『君』であり異種のものの比較となっている。こういった比較は入試には出題されないので気をつけよう。車の古さを比較するのであれば当然『私の車』と『君の車』を比較するべきであって、
が正解となる。このように比較級の文では同じ名詞の反復をさけるために、所有代名詞がよく用いられる。次の例もそうである。
また比較の意味を強めたい時には比較級の前にmuchを置く。(重要!)
この本はあの本よりもずっとおもしろい。
『〜の中で一番(最も)−−−だ。』いう意味を表わす言い方である。例えば、
と言ってしまうと『彼は最も背が高い。』となるが、君はこのとき『えっ、どの集団の中で?』と思うことだろう。実はその言い表わし方がよく試験に出題されるのだ。主語が所属する集団を表わす複数名詞の前には of を用いよう。
というふうにである。
He is the tallest of us all. (彼は僕ら全員の中で一番背が高い。)
他はほとんど " in " を用いて場所や範囲を表わす。
上の表現はよく用いられるので覚えてしまおう。
また本来、副詞の最上級の前には the がつかないはずであるが、(キーポイントNo.6にて『the』は名詞の前につく原則を学習した。)話し言葉ではよく用いられるので、ここは試験では問われない。
He runs fastest of all.
上記の2つの文は双方ともに正しい。