have ( has ) + p.p. (過去分詞)
あくまで『現在』のことを述べる
タイムラインを利用せよ。
これまでに君は過去時制、現在時制について学習を進めてきた。時制についてはすでにキーポイント No.9 で学習済みだが、ここではその知識をふまえて新たに『現在完了』の分野を勉強することになる。この『現在完了』を簡単に説明すると、『過去で起こった出来事が現在にどのようにかかわっているかをいう言い方』である。別の言い方をすれば、過去と現在を現在の視点から同時に言い表わすもの、ともいえる。このことをよく理解しなければならない。これから具体的な説明に入るが、先に説明したように現在完了は『過去』と『現在』を同時に言い表わすものなので、キーポイント No.9 で用いた『タイムライン』を常に意識するクセをつけておこう。これは大いに役に立つ。
現在完了形には、その表わす内容から4つに分類される。すなわち、『継続』『経験』『完了』『結果』の4つである。これらの理解は高校進学後も極めて重要であるのでしっかり学習していこう。
A. 継続
過去で起こった出来事が現在もなお継続中であることを示す言い方。例えば 「(A) 僕は長い間東京に住んでいます。」と言った場合。これは過去のある時期より東京に住みはじめて、その状態が現在もなお続いていることを示している。また「(B) 彼は先月から病気です。」と言うと、先月のある時期から病気にかかり、その状態が今(現在)もなお続いていることを意味している。ではタイムラインで考えてみよう。

タイムラインにより示される『継続』
『継続』の意味を示す現在完了の内容としては、上の図の2つが考えられる。1のほうは、先に示した例文(A)のパターン、2のほうは例文(B)のパターンである。どちらも『過去』と『現在』を現在の視点から言い表している点はまったく同じなのだが、『過去』から『現在』へのかかわりを表わす部分で若干の違いをみせている。(A)は「長い間」つまり期間を強調している言い方であり、(B)では状態や動作の継続を強調している言い方になっている。図を見ながらよくよく検討してみること。実はこの使い分けが試験でよく問われるところなのである。期間を強調する言い方としては、『長い間 for a long time 』『一ヶ月間 for a month 』『2年間 for two years 』『数日間 for some days 』などがある。一方、状態や動作の継続を表わす場合には『昨日から since yesterday 』『去年から since last year 』『9時から since nine o'clock 』のような言い方をする。ここはとても重要。
では現在完了形を実際の英文で見てみよう。基本は「 have + p.p.(過去分詞形)」で示される。まず、「ぼくは東京に住んでるよ。」という現在形の文を作ってみよう。
I live in Tokyo.
これは簡単でしょう。この文は現在の事実を単に表わしているだけに過ぎない。これが現在完了形では『過去』をからめた言い方になるのである。「ぼくは長いこと東京にいるよ。」という文を作ってみよう。「長いこと」はさっき教えたね。for a long time を用いよう。
となる。では、先ほどの(B)の文はどうだろう。まず、「彼は病気です。」という文を作る。
He is sick. (あるいは He is ill. )
もしここで君が『「 sick 」なんて単語知らないからもういいや。』と思うのならば、残念だけれど僕はもう君と一緒に学習することはできない。これは、ゆとり教育と称して「日本国民総バカ計画」をもくろんでいる文部科学省に君がすっかり頭を毒されている証拠なんだ。わからない単語であれば辞書を調べればいい。甘えた考えを捨てて積極的に学習に取り組んでほしい。これをするか、しないかは君の自由だよ。さあ、話をもとに戻そう。これに先月から、という『過去』をからめてみよう。「先月から」は since last month だから次のような文ができる。
この2つの文は暗記してしまおう。また、期間をたずねる疑問文では『 How long 〜?』を用いる。
これらの言い方にもしっかりと慣れておこう。読んで、読んで、読んで、書いて、書いて、書いて、あとは毎日続けること。
B. 経験
過去にある出来事があり、それが思い出(経験)となって現在頭に残っているという言い方。例えば「私はかつて京都に言ったことがある。」といえば、過去のある時期に京都に行ってそれが現在の自分の思い出(経験)となっている。また「私はしばしばその本を読んでいる。」といえば、過去にしばしば読んだということが現在の自分の思い出(経験)となっている。この2つの文を英訳してみよう。
ここで現在完了『経験』でよく試験に問われる事項をまとめてみよう。
副詞の置かれる位置について
副詞が置かれる位置としては、" have と p.p. の間 " か " 文尾 " のどちらかであるが、
頻度を表わすもの( often, sometimes )と once (かつて)は前者
回数を表わすもの( once, twice, many times )と before (以前に)は後者
と大ざっぱに把握しておいてよい。
「〜へ行ったことがある。」という言い方
例えば、「私は2度アメリカに行ったことがある。」を英訳してみよう。
実はこれ、一見正しそうだけど誤りなのだ。特に私立高校はよくひっかけてくる。このままでは「アメリカに行ってしまって今ここにはいない。」という『結果』を表わす言い方になってしまう。(『結果』については後ほど学習。)正解を示す。この文は暗記してしまおう。
くどい訳をつければ「彼は2度アメリカという国にいたことがある。」という感じだね。
疑問文に使われる副詞
肯定文で用いられる once (かつて)の例がわかりやすい。
この文を疑問文にすると
このように『経験』をたずねる疑問文では、この " ever " がよく登場する。
現在完了『経験』の否定文
現在完了『経験』の否定文では、" never " が用いられる。
上の例文でもわかるように、never の挿入の位置は have と p.p. の間である。
C. 完了
過去に始まった動作が現在すでに終わっていることをいう言い方である。例えば「僕はもう宿題を終わらせたよ。」であれば、過去に始めた宿題が現在ではもう終わってしまっている。また「彼はちょうど駅についたところです。」であれば、過去に駅に向けて出発したが、現在(ちょうど今)駅に着いた、すなわち動作の完了を意味している。それぞれを英訳してみよう。
否定文や疑問文では、" yet " を用いる。
I haven't arrived at the station yet. 僕はまだ駅に着いてないよ。
ここで受験生がよく間違うポイントを示しておく。「私はちょうどスーパーマーケットに行ってきたところです。」を英訳すると、
である。ここでも " have gone " は使わない。なぜなら使ってしまうと「行ってしまって今ここにはいない」という『結果』を表わす現在完了になるからである。
D. 結果
過去に動作が終わって現在どうなっているか、という結果や状態を表わす言い方である。『継続』『経験』『完了』に比べると出題の頻度は低いが、きちんと押さえておくとよい。例えば、『彼は立派な教師になっています。(過去に立派な教師になり現在もそうだ。)』『トム君はアメリカに行ってしまった。(過去にアメリカに旅立ち今はここにはいない。)』参考までにこの2文を英訳しておこう。
今後、君が目にした現在完了の文を分類してみよう。ここで注意すべき点は、日本語にはこれら完了時制に相当する的確な訳語がないということだ。従って『日本語訳』のみで分類を行なうのはやめておいた方がよい。あくまでタイムラインを用いて考えるクセをつけておこう。
最後に一言。
現在完了時制はあくまで『現在』を示している。だから、1)過去や未来を意味する語句(特に副詞)は文中に使用できない。2)「時」をたずねる疑問詞 When 〜? を用いた疑問文にすることができない。なぜならば時をたずねるまでもなく、現在完了時制が示している内容は『現在( now )』だからである。