仕事の関係で週一日だけJRのローカル線にゆられて遠出するんです。途中「由布院」という全国的に有名な温泉地を通るんですが、いつも僕が乗る列車は由布院駅から高校生の通学列車になります。
先日、僕の座っていたボックスシートで二人の高校生の男の子と相乗りになりました。ちょっとのっぽのA君とぽっちゃりした感じのB君でしたが、二人の会話がなんとも言えずほのぼのとしていて良かったんですよ。A君は今風な感じの子で、B君はちょっとのんびりとしたハスキーボイスの高校生でした。
まずA君がお弁当を自分の部屋に置き忘れてきたことから会話はスタートしました。思い出すままに再現してみますね。
A君『カバンの下に弁当箱を敷いていたんだ。きっと。』
B君『でもいいなあ。うちのお母さん、僕が起こしにいってもなかなか早起きしてくれないから弁当作ってくれんよ。』
A君『それはきっとお母さんは疲れとるからだよ。』
A君、優しいなあ。さてさて、彼らの会話は続きます。やがて話の内容からB君の自宅には温泉があることがわかったのでした。
B君『この間うちに「のぞきやジョニー」が現われた。』
A君『のぞきやジョニー?』
B君『夜になるとうちの温泉に頭に鉢巻きをまいたオヤジが出没するんよ。そいつが「のぞきやジョニ−」。』
A君『大変やん。』
B君『でもね、うちには太ったお父さんと僕とお母さんしかいないし。』
A君『あれ、お姉ちゃんがいたやろ?』
B君『お姉ちゃん、今は鹿児島にいるんよ。だから今、ジョニ−が覗いたって「おなかの脂肪」しか見えんのにね。』
A君『ははははは。それが目当てかも知れんね。でも、それだったら風呂に入れんやん。』
B君『入るよ。でもね、僕が一番先にはいるんだけど、お母さんが風呂に入っている間は温泉の近くにおらんといけん。』
A君『どうして?』
B君『お母さんから言われたんよ。もし私が覗かれていたら大声を出すからすぐに助けに来なさいって。』
A君『あはははは。』
僕はこの二人の会話が何とも楽しくて、途中から彼らに気付かれないように会話の内容をメモしていたのでした。(悪趣味!(笑)) 最近僕は年を取ってしまったせいか(認めたくはないけれど)、高校生たちの会話にはついていけないことが多いからねえ。これほど楽しくて、わかりやすくて、ほのぼのとした若者の会話は聞いていてとても耳に心地いいんです。
さて、会話は当然彼らの学校生活にも及びます。
A君『昨日聞いたんだけど、今度国語の先生が変わるみたいやね。』
B君『えっ? 全然知らんやった。』
A君『若い女の先生みたい。前の学校ではこんなことなかったけど。』
B君『じゃあ○○先生、変わるんやね。それにしてもキビシイ先生だったな。』
A君『どんな感じ?』
B君『漢字の宿題を忘れたら怒り飛ばすし、テストでちょっと間違えただけでも絶対に部分点をくれない。』
A君『そうは見えないけどなあ。やさしい顔しているのにな。』
B君『ダマされちゃいかんよ。やさしい顔して心は「邪悪」だもん。』
A君『はははは。』
「優しい顏して心は邪悪。」ですかあ。(笑) いいですねえ、いいですねえ。そんな人はこの世の中にはたくさんいるんですよ、B君。いつまでも素直な感性を持ったままでいてください。また会える日を楽しみにしています。 あっ、こんな会話が最初にあったなあ。思い出した。
B君『風邪が治らんよう。昨日、風呂に入ってない。』
A君『ええ? そうは見えんよ。顔の肌はツルツルしてるし。』
B君『えっ、そう? でも入ってないよ。風邪が悪くなるとややもん。』
A君『全然そうは見えんなあ、やっぱりツヤツヤしとるよ。』