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最近読んだ本 パート3



 忙しい毎日でも、ちょっとした空き時間を利用しての読書ってとても楽しいもんです。ではこの頃読んだ本の中で面白かったものを皆さんに紹介します。興味を持たれたらぜひご一読を!


日本語の水脈 - 日本語の年輪 第二部 -  大野晉著  新潮社

 僕らが日頃何気なく使っている日本語ですが、その語源を辿れば昔の人々の「物の把え方」や「生活の仕方」が見えてくるものなんですね。著者の大野先生は「はじめに」のところで次のように書かれています。『言葉それ自身が生きものとして一つの社会の中で生きているものであること、そしてその生き方の一方に、その言葉と共にあった人間の意識や生活があることが理解される。』 ありゃア、難しい本かなあ、と思って読み始めましたが、とてもわかりやすく書かれているので興味深く読み進むことができました。そうそう、本文の中に『方言の方が、古い由緒正しい言い方である場合が少なくない。』とありましたヨ。そげん言われりゃ嬉しいけぇ。


人間は笑う葦(あし)である  土屋賢二著  文藝春秋

 僕はジョークが好きです。日頃職場でダジャレを言って周囲の人たちを寒さで震え上がらせますが、ジョークは哲学なんだとこの本を読んで感じましたねえ。読み始めは「ふざけたことばかり書いてやがんナ。」と僕は冷ややかでしたが、(実を言いますと、著者はお茶の水女子大学の偉い哲学のセンセイなのであります。失礼いたしました!)ずっと読んでみると、いやあ面白い面白い。実に勉強になりました。ナンセンスを突き詰めていけば「哲学」になるんですね。(と僕なりに解釈したんですが......。) それにしても哲学のセンセイっていつもこんなことばかり考えているんでしょうかねえ? 


たけくらべ・にごりえ  樋口一葉(岡田八千代 校註)  角川文庫

 ちょっと真面目に文学に親しんでみようと思って手にした本です。ご存じの方は多いと思いますが、一葉の創りだす文体はちょっと難しくて、僕なんかその昔、学校で習った「古文」を読んでいるような感じになりました。でもですね、ゆっくり(声を出して)読むと意外にその文体は柔らかくて、とても味があるんですよ。しかも多彩な変化を見せます。たとえば子供同士の喧嘩の場面を読むと、まるで講談師が机を扇子で叩きながら名調子を唸っているような雰囲気ですし、幼い淡い恋心を描写する場面では、実にしっとりとした切ない響きをもった文体になっています。


語っておきたい古代史  森浩一著  新潮社

 一時期、考古学ブームってありましたね。(今もそうかな?) 各地の遺跡を訪ねる人たちが増え、邪馬台国はどこにあったのか、なんていう論争も記憶に新しいですネ。実は僕自身、日本の古代史にはとても興味があるんですよ。ホントに。(ですが、大学受験の共通一次試験では日本史は全然ダメでしたけれど......。) 手軽に読める古代史の入門書はないかなあと思っていたところ、この本に出会いました。森先生の講演会の生ロクの形式になっていますので、あたかも会場にいる一聴衆になった気分で読むことができます。


井上ひさし(と141人の仲間たち)の作文教室   井上ひさし 文学の蔵 編  新潮文庫

 文章を書くって本当に難しいことですなあ。上手に書けたつもりでも、自分の気持ち(言いたいコト)がなかなか読み手に伝わらないことなんて日常茶飯事だし、書きたいことはあるんだけれど全然書き出しが思いつかなくて悩んじゃうし........。でも心配御無用! 井上先生がシロウトの僕らにわかりやすく講議してくださいます。『自己本位が作文の基本』『いきなり核心から入ることが大事』など、実に示唆に富んだ教えがちりばめられていますよ。それと井上先生に学んだ生徒さん方の作文もなかなか面白いです。