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オヤヂギャグ

 いつの頃からですかねえ、以前は近所の子供たちに「お兄ちゃん」と呼ばれていたのに、最近は「おじちゃん」ですよ「おじちゃん」。姪たちから「おじちゃん」と呼ばれることさえ気に入らないのに、仕方がないとはいえとても傷つきますなあ。

 考えてみれば僕はもう四十路を迎えているんですねえ。通勤電車の中でいつも一緒になる高校生諸君はすでに平成生まれ。僕が23歳の時に生まれた子たちなんだあ。(きっとお父さんたちは僕と同じくらいの年齢かもね。)「君たちの服装はだらしないっ!!」って心の中で怒った自分のズボンのチャックが開いていることに気付いた時のわびしさ........。ああ、歳は取りたくないよう。

 僕は駄洒落(だじゃれ)が大好き。場の雰囲気を和らげようと職場でシャレを連発するんだけれど、周囲の反応はいささか冷ややか。思えば最近はあまり相手にしてくれていないなあ。自分では最高に面白い、傑作だと思った作品(僕は自分が考えたシャレはみな「作品」だと思っております。)も近ごろは全然受けません。困ったな。 

 面白いシャレを言うためにはですね、日頃から絶えまない努力、勉強をしておかなくちゃイカンのです。政治・経済から芸能界のうわさ、果ては職場でのくだらない噂に至るまで。そして一番大切な訓練方法はですね、耳に入ってくる他人の会話の中に自分を混ぜることです。(もちろん心の中でですよ。)僕は毎日電車通勤しているので、他人様の会話には日々事欠かない状況にあります。高校生や大学生、社会人(会社員さん、近所にいそうなオバさま方たち)の会話は自然に耳に入ってくるのですな。心の中でその会話に入ってシャレ(時にはツッコミ)をかますわけです。これは本当に最高のトレーニングになりますぞ。また時間つぶしにもなって一石二鳥ですな。

 学校が試験の時期になると、通学電車の中は学生さんたちの試験話で盛り上がります。例えば、「おまえ、ちゃんと勉強した?」「全然してねえ。」「うそつけ!(心の中で僕のツッコミ)」

 先日、塾帰りの中学生と思しき2人の女の子が電車の中で試験勉強をしてました。英単語の勉強です。「牛は?」「カウ。」「羊は?」「シープ。」ここまではよかったんですねえ。ところが、「ねずみは?」「ウス。」えっ、ねずみは「マウス」だろ!何を申す(モウス)か!と心の中で会話に混ざるわけです。このシャレは傑作ですねえ、我ながらあまりの面白さに思わず吹き出してしまいました。

 同じ時期にこんな女子大学生の会話もありましたぞ。国文学部かな?試験で出題が予想される日本の古典文学ついて話をしていたのです。「そういえば「ダイキョウ」から問題が出そうだね。」「えっ?ダイキョウ?それ、大鏡(おおかがみ)だよ。」大鏡を「だいきょう」と読むあなたの試験結果は「大凶」でしょう、と僕は心の中でつぶやくのであります。このシャレもなかなか面白い。

 このような不断の努力にもかかわらず、僕が発するシャレは周囲から「寒いオヤヂギャグ」と一蹴されてしまいます。なんでだろ?