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最近読んだ本 パート5


 忙しい毎日でも、ちょっとした空き時間を利用しての読書ってとても楽しいもんですね。今回もこの頃読んだ本の中で面白かったものを皆さんにご紹介してみましょう。興味を持たれたらぜひご一読を!


教科書でおぼえた名詩  文藝春秋編  文春文庫

 昭和20年代から平成8年までの中学校・高校用国語の教科書に載った詩・俳句・短歌・漢詩の中から選ばれた名作が収められています。そのなかには遠い昔、僕が中学生の時に国語の時間に習った詩もあって、読んでいて何だか懐かしい気持ちになりました。『初心消えかかるのを/暮(くら)しのせいにはするな/そもそもが ひよわな志(こころざし)にすぎなかった/(茨木のり子:「自分の感受性くらい」より)』『遊びをせんとや生まれけむ たはぶれせんとや生まれけむ 遊ぶこどもの声聞けば わが身さへこそゆるがるれ/(梁塵秘抄より)』いやあ、いいですねえ。一つ一つは短い作品ばかりですから、一日一作品だけでも味わうことができます。ちょっとした外出の時にでも持っていきたい本です。ぜひ多くの方に読んでいただきたいですね。


収容所(ラーゲリ)から来た遺書  辺見じゅん著  文春文庫

 戦争が終わってもなお、ソ連の強制収容所に抑留されていた日本人が数多くいました。本書は死と隣合わせの日々の中でも、帰国(ダモイ)の希望と人間としての気高さを忘れなかった男たちの記録です。毎日の強制労働で心身共に疲れ果てていながらも、監視の目を盗み、有志が集まり句会を結成して祖国や家族への思いを句に綴る...。この場面は何か胸に切なく迫ってくるものがあります。特に祖国にいる妻や子供たちへの心情を綴った句には心打たれました。『小包に 見る妻の貧 春時雨』『小(ち)さきをば 子供と思う 軒氷柱(のきつらら)』『不幸なる 児となり果てぬ もがり笛』 句会の主催者だった山本幡男氏の遺言状を収容所の仲間たちが手分けして必死に暗記し、帰国後、遺族の元に届ける記述には実に迫力があり、大きな感動を覚えました。


その日本語は間違いです  神辺四郎著  日経ビジネス人文庫

 最近、文章を書く機会が増えてきまして、改めて言葉の用い方の難しさを痛感しています。本書は「知らないで使うと恥をかく」「知っていれば得をする」数々の表現をキチンとまとめてくれています。これまでいかに適当に、いい加減に言葉を使ってきたかに気付かされ、大いに反省させられました。自分の恥をさらすようですが、「作品はカンペキに仕上がった。」の「カンペキ」を僕は今まで「完壁」と書いていました。もちろんこれは間違いで「完璧」が正解です。「タタリ」という漢字を僕は「崇」と書いてしまいましたが、実は「祟」が正解です。このように自分はちゃんと知っていると思い込んでいた間違いを本書はしっかり指摘してくれます。また新たな発見もありましたよ。「ムキになって怒る」の「ムキ」は「向き」であると僕は初めて知りました。


星の王子さま  サンテグジュペリ 作 池澤夏樹 訳  集英社文庫

 大の読書好きと公言してはばからない僕ですが、恥ずかしいことに、この不朽の名作を今まで一度も読んだことがなかったのでした。全体がシンプルな構成で、あっさりした表現でストーリーが淡々と語られていくため、(第二次世界大戦中に書かれたこともあって)この童話風物語には実にさまざまな解釈の仕方があるようです。しかしまあ、僕にはそのような深入りした読み方は到底できませんので、表面的な味わい方だと笑われそうですが、ぐっと心に残る印象的なフレーズを楽しむことにしました。『(人間は)走り回っているけれど、何を探しているか自分でもわかっていない。ただ忙しそうにぐるぐる回るばかり...』『ものは心で見る。肝心なことは目では見えない。』 そうそう、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に似たテイストがあるな、と今思いました。


永遠の放課後   三田誠広著  集英社文庫

 朝、夕の通勤電車の中で元気な高校生たちを見ていると、その若さをとてもうらやましく思うことがあります。ああ、自分にもあんな時代があったんだなあ、と少々感傷気味になることもしばしばですね。(照笑)小説を読むのはあまり得意ではないのですが、ちょっと「青春モノ」にも手を伸ばしてみようかな、と選んだのがこの本です。タイトルがいかにも、ですからね。大学生の「ぼく(笹森ヒカル)」が大好きな音楽を通じて、家族の絆や恋愛、友情の葛藤に悩み成長していく物語です。全体を通して大きな起伏のない小説ですが、かえって現実味があり、さらっと読むことができました。僕にとって「青春」小説は清々しく読める反面、美味しいケーキと一緒で、立て続けでは「胸やけ」を起こしそうになりますが、時々は読んでみたいジャンルの一つです。