僕は現役での大学受験を失敗して2年間浪人生活(予備校生活)を送りました。1年目はさびしくつらい生活だったけれど、2年目はとても楽しかった。ゆとりですかねえ。かわいい後輩(?)もたくさんできたし、成績も伸びたので予備校生の分際で家庭教師をやってしまったし。(高校の後輩に数学と英語を教えていました。)変な話に聞こえるかも知れませんが、僕は出身高校よりも予備校の方を『母校』と胸を張れるくらい充実した生活を送ることができたのでした。
その思い出がたくさんの予備校時代、友人の勧めもあって旺文社の大学受験ラジオ講座をやっていました。これが結構楽しかったのです。僕は早起きを兼ねて、早朝5時からの放送で勉強しました。ですから前日寝る前には、まず枕元の目覚まし時計を5時前にセットし、蛍光灯、筆記用具、テキストを準備して就寝していました。時々講議の途中で寝てしまうことがあったので、ラジカセにテープをセットし放送を録音しながら聴いていました。
1984年7月号のテキスト。ページを開くと当時の思い出がぎっしり。
もちろん予備校のテキストの予復習は大変だったけれど、このラ講(当時、ラジオ講座のことを皆『ラ講』と呼んでいました。)での学習は僕のささやかな楽しみなのでした。僕は今でも当時使用していたテキストを数冊だけ処分せずに持っています。これまでの僕の人生の中であれだけ一生懸命に、そしてひたむきに純粋な気持ちで勉強したのは後にも先にもあの当時だけだったような気がします。ですからテキストは僕の青春時代の記録でもあるのです。ひょっとするとこれは一生の宝物になる価値のあるものかも知れません。(ちょっと大げさかなあ。)
そして放送の開始時と終了時に流れるブラームスの大学祝典序曲のテーマもなつかしいですね。思いだすなあ。
大学を卒業し、社会人になって数年後のある日のことです。くわしくは覚えていないんですけれど、テレビか新聞のどちらかでラジオ講座打ち切りのニュ−スを知りました。驚いたと同時にこれも時代の流れかなとちょっと感慨にふけったものです。昭和27年3月にスタートしたラ講が平成7年3月号で終了を迎えることとなり、その43年の歴史にピリオドを打ったのでした。